xharrietのあれこれ。

日英翻訳 大絶賛独学中

『翻訳英文法』 身につけたい翻訳テクニック <所有格>

さてはて、届きました『翻訳英文法』。朱色(オレンジ?)の帯には「翻訳は技術だ!誰でも簡単に学べる翻訳ルール」の文字が躍る。

買ってからAmazonのリストマニアでこの本がリストされているのを発見したけど、コメントを読むとなんと絶版らしい。
普通に買えたし、2012年2月15日第3刷って書いてあるけど。。
同じ著者で似たタイトルの本も出てたから、本当に絶版なのかもしれない。

で、早速ぱらぱら読み始めたわけだが、練習問題がところどころに出てくるので、問題を解く過程をさらそうと思う。
(そうでもしないと問題なんて真面目に解かないだろうし。。自分へのプレッシャー。)

最初のテーマは「所有格」。

問題

  1.Shakespeare was all the better for his lack of university education. 2.For the effect of such an education is, all too often, the stifling of genius. 3.What is unique about Shakespeare is his closeness to his native soil, and to the heart of his people, with their memories of "merry England". 4.Such closeness may well have been spoilt by a university education. ------ P. Milward, Culture in Words.

 いきなりバベルの翻訳力診断とは比べ物にならない難しさ。というかジャンルが全然違うし。テクニカルな文章の方が見慣れてるしやっぱり訳しやすいな。
とりあえず、改めてテキストの教えを振り返ってみる。

テキストの教え

*所有格はそのまま訳すのではなく、主語述語の文節にほぐしてから日本語に変換せよ

*原文の流れを損なわないよう、頭から訳せ

試訳

1.Shakespeare was all the better for his lack of university education.

テキストの教えに当てはまるのは、his lack of ~の部分。

直訳すると「(彼の)大学教育の欠如」だけど、he lacked university education とほぐしてみると、「大学教育を受けていなかった」となる。
頭から訳すと「シェイクスピアは大学教育を受けていなかったために、かえって良かった」。
一番最後の「良かった」が残念な感じだけど後で考えよう。思いつかん。

2.For the effect of such an education is, all too often, the stifling of genius.

次は、2度出てくるofをどうするか。
effect of ~は、~ have effect onのようにとらえて、stifling of genius はstifles a geniusとしてみる。
「そのような教育は、しばしば天才を窒息させてしまうからだ」かな。。
たぶん、前の文とつなげると「そのような教育」が微妙になるけど、後で全文くっつけてから考えよう。

3.What is unique about Shakespeare is his closeness to his native soil, and to the heart of his people, with their memories of "merry England".

his closeness to ~は、he is close to ~。their memories of ~ は they remember ~でよいのかな??
with 以下を前に持ってきたくなるけど、補記的に後ろに付けてみよう。
シェイクスピアが特異なのは、彼が故郷やその人々の心と親密であることだ。そして、彼らは「メリー・イングランド」を記憶に留めている。」
ちなみに、メリー・イングランドというのはイギリス社会や文化に関する概念で、中世から産業革命にかけて流行った牧歌的な暮らしに基づいている(らしい。wiki様様)。妖精とかロビンフッドとかの世界。
日本でも「古き良き」という言い回しはあるし、どこにでもそういう懐古的な考え方ってあるのかな。

4.Such closeness may well have been spoilt by a university education.

「そのような親密さは、大学で教育受けることで台無しになってしまっていたかもしれない」

というわけで、つなげてみると……

シェイクスピアは大学教育を受けていなかったために、かえって良かった。そのような 大学教育は、しばしば天才を窒息させてしまうからだ。シェイクスピアが特異なのは、彼が故郷やその人々の心と親密であることだ。そして彼らは「メリー・イングランド」を記憶に留めている。彼の そのような親密さは、大学で教育を受けることで台無しになってしまっていたかもしれない。

回答

そのまま回答文を載せるわけにいかないと思うので、なるほどと思ったところだけ。

① all the better for ⇒「かえって得をした」
② the effect of such education ⇒「大学教育の結果として」
③ his native soild ⇒ the soil where he was born and brought up
④ by a university education ⇒ if he had received university education
あとは、代名詞なり指示語で書かれている部分をどれだけ自分で補うか、というさじ加減が難しい。
確かに私の訳だと相当ぎこちないけど、、自分で言葉を足してしまう勇気が無いわ。

 「翻訳は技術だ」と帯には書いてあるけれど、この辺りは経験値とセンスもものを言う気がするよ。。